月物語 ~黒き者たちの宴~

―2―




予想していたより、社の造りは広かった。



礼に用意されたのは、入り組んだ回廊の一番奥の部屋だ。



七日の内に、確実に迷子になるだろう。



「すっ、スイートルーム!」



礼は、感嘆の声をあげた。



中華風スイートルームとでもいおうか。



礼が通されたのは、二十畳ほどの豪華な部屋だった。



天蓋付きの寝台と丸テーブルが置かれている。



どれもこれも色鮮やかな装飾が施されていた。



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