ふたりの恋

「おい、ヒロト・・どういうつもりだ?」



トイレから戻った京真がヒロトくんの真ん前に立つ。



「け、・・京真!!」


あたしは京真に向かって目で助けてと訴える。




「ちぇっ!せっかく遊んでたのに・・」



ヒロトくんはあたしをおろしながら、わざと膨れて見せた。





京真はドサっとソファー席に座る。



「あのなぁ、りさ、お前ももう少し抵抗しろよ・・」



「はい・・・」



「もうりさはココに来い」



京真はそう言うと、自分の膝の上を指差した。



・・・は?・・・


ぽかんとするあたし・・・



「早くしろ」・・急かす京真。



「えっと・・どゆこと・・ですか?」




京真は、はぁーーーーっと深いため息をついてあたしの腰を掴んだ。



「放し飼いにするとあぶねぇから、お前はココ」



あたしを膝の上に乗せて後ろからあたしのお腹に手を回す。



な、なんなの?!



山井くんも、ケンタくんもヒロトくんも、クククッと笑う。



「ちょ、ちょっと!!京真、普通に座りたい・・です」



「だーめ」



そう言いながらテーブルの上にあるメニューに目を通す。




・・・恥ずかしい・・・



こんな事・・・恥ずかしすぎる・・・



京真はこういうの慣れてるかもしれないけど・・・



あたしには刺激が強すぎる。





< 22 / 63 >

この作品をシェア

pagetop