おもちゃのユビワ
それでもママは
一階から階段をパタパタと駆け登り、私の部屋のドアを開けて、高音を出す。



「毎日毎日っ!
いい加減にしなさいっ。
何でもっと早く起きられないのかしら。
春休みはもう終わったのよ。」



「分かった、分かった。ほら、起きたでしょ?」

ナオはベッドから素早く出て制服に手をやった。



「ご飯食べて行きなさいね。」



「…ふぁーい」



あくびしながら答えると、ママは
「まったくもう!」
とぶつぶつ言いながら部屋を出ていった。



制服に着替え、腕時計をして少し焦った。



「マジ遅刻しそう!」

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