アルバイト
「なんとでも言えばいい。
…お前達は全てを知ってしまった。生かして帰す訳にはいかない。」

そう言ってタクヤ達のほうに向けられた男の手には拳銃が握られていた。

「そんなことしたら、大切な奥さんの手は手にはいらないぜ?」

タクヤが男をまっすぐに見つめ返しながら言う。

「…なに?」

男はピクリと顔を歪め、何かに気付いたように急いで荷物の蓋を開けた。

「くそっ!」

中身を確認した男は舌打ちしながら荷物を地面に叩きつけた。
辺りにドライアイスだけが飛び散る。

「中身を何処にやった!?」

男は拳銃をタクヤに向け、怒鳴る。

「隠させて貰った。
俺たちを解放してくれたら場所を、お前の持ってるユウの携帯に送ってやるよ。」

タクヤが言う。

「ふん、信用できるか。
まぁ、いい。
ここにお前ら二人を監禁して場所を吐かせればいいだけだ。」

男は拳銃をタクヤに向けながら距離を詰める。

「それは、無理だな。
今は夜だから大丈夫だが、夜が明けたらすぐに人目に付くような場所に隠した。
朝までに俺たちを解放しなければ、奥さんの手は警察にでも届けられるだろう。」
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