プリズム
「いなくなったら…流星に渡して、その場で莉桜ちゃんも読んで?」
わたしの涙腺は限界だった。流れる雫が、つめたい。
「なかないで…」
それを拭おうとする蕾美さんの手はひどくやさしくて、あったかい。
「や…ですっ」
「生きてれば、終わりが来るの…。幻影だけを追うようにはならないで?」
死ぬのを全く恐れていない蕾美さんをすごく強いと思った。
「生まれ…変わったら…」
「わたしも、貴女と流星には生まれ変わっても出逢いたいよ」