プリズム


雪崩が止み、彼はそっとわたしをはがすように離した。


「悪ぃ……」

「悪くなんか…あり…がと」


ふたりの間に微妙な空気が流れる。今のは…事故だよ。


でもなんだか胸がドキドキする。いつもの鼓動より早いわたし。


「あーあー派手に倒れたな」

「片付けしなきゃだね…」

「仕事増やしやがって」


整理現象だろうけど、と流星はため息をつきながら手をかけた。わたしもそれに続いた。


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