プリズム


無情にも病室に近づいていく。女の子なら、わたしは完全に失恋だ。


わかりきってはいることだけど……。


「入るぞ?俺だ」


「流星?どうぞ」


聞こえた声は可憐な少女の声で、わたしははっとする。


ガラガラ……


「りゅっ…その子もしかして」



わたしは実感する。


初恋は叶わないということを。


そんなジンクスは実在する。


それも、かなり残酷なカタチで。



< 90 / 122 >

この作品をシェア

pagetop