好きだと言えるまで・・・
始まり
今日は晴れ。天気がはれ。
でも、私の心は曇り。
あなたといた日々を思い出すと、少しだけ晴れる。

私は田舎の中学生。今年入学した、「新入生」。
「移動教室だよ?」
そう私に言った女の子は、凛。
「音楽好き!」
叫んだのは智子。
小学校からの仲良しトリオの私たちはずっと一緒。
でも、その2人にも言えない秘密が私にはあった。
「遅れんぞー」
そう言って私の頭をポンってたたくあいつ。
瞬く間に顔が赤くなる。
あいつは私の好きなやつ。
入学して、初めて私に話しかけてきた。
坊主頭で、野球部。ガチの部活が好きなやつ。
「お前の頭、なんかたたきやすいんだよなぁ」
そう言って、頭をなでる。っていうかくしゃくしゃにする。
「やめてよー。直すの大変なんだからねっ」
「俺がやってやるよ」
ドキってすることをすぐ言う。
「貸せって」
優しい。笑うとかわいい。
そんなあいつが大好きだった。
新しく始まった授業。
厳しい部活。
息詰まるような学校生活の中で、あいつだけが私の救いだった。

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