奈那子が死んだ


 「んー悪いけど和臣と由宇は電車で行ってくれ」

 「はいよ、由宇行くぞ」

 「はいはーい」


 俺と由宇は自分の手荷物だけを持って駅に向かって歩き出す。

 すっと由宇のかばんを持つと、由宇はにこりと微笑んだ。


 「かっ、和くん…!」

 「ん?あぁ、またあとでな」


 俺がそういって笑うと弥英ちゃんはうんと言った。

 その顔はどこか悲しそうだった。


 「弥英ちゃん、和にぃのこと好きなのかな~」

 「はぁ、何言ってんだよ。弥英ちゃんからしたら俺はただのおじさんだよ」


 ははっと笑うと由宇はやれやれとでも言いたげな顔をしていた。


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