小鳥と恋愛小説家
■君を想う帰り道




小鳥を家まで送り届けた帰り道…………



自分の足が浮き足だってると感じた。



まさかのまさかで…………



大好きで堪らなかった女の子が…………《彼女》になってくれた……………。



可愛い可愛い………小鳥…………。



幸せ過ぎて堪んない。







さっきの別れ際だって―――――――――――――……………








『…………じゃあ、またね……?』



彼女の家の前で寂しさを堪えてそっと繋いだ手を離す………。



『…………。』



…………小鳥は無言で俯いていた。



寂しいと思ってくれてるのかな…そう思って離れなきゃならないのが切なくて………



でも、彼女の思いが嬉しくて胸が高鳴る。



いつまでもこうしてるのも迷惑だろうから帰ろうと足を踏み出したら…………



――――ツンッ…と服を引かれた感覚に思わず振り返る。



『…………小鳥……?』



『~~~~っ!』



きゅっと口を引き結んだ彼女が、俺の服の裾を握りしめていた………。








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