小鳥と恋愛小説家





「…………あ~あ~…カナ困ってるじゃん。

ツバサ唐突すぎだってばぁー。」



ツバサの後ろから妙に間延びした声がして………



のんびりした足取りで、彼女とそっくりな顔をした男の子が現れる。



「…………翔(カケル)…?」



呟いて…ぱちぱちと瞬きをする俺に向かって人懐こい笑顔を向けた。



「…………そうだよ、カナ♪

久しぶり~。俺達が引越して以来だから4年ぶりになるなぁ~。」



「…………そんなになるのか………。」



このツバサと同じ顔をした男は、ツバサの双子の弟…綾瀬 翔(アヤセカケル)16歳。



同じ顔をしてるけど、はっきりしてキツイ性格のツバサとは正反対の、



のんびりしてでも飄々としたつかみ所がない性格をしてる。



後は泣きぼくろのツバサに対し、カケルにあるのは口元の笑いぼくろ。



子供の頃は本当に見分けがつかなくて、俺はそのほくろで二人を判断してた。



4年前まではこの辺りに住んでいたけど、二人の父親の転勤で北海道に引越して行った。



……………そんな二人が何故ここに………?









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