小鳥と恋愛小説家




「…………それでねっ、あのシーンはもー神としか言いようがなくてねぇ~!」



小鳥はいつもと何にも変わらなくて………二人で歩きながら楽しそうに今読んでるケータイ小説の話をしてる。



申し訳ないと思いつつも俺はその話もちゃんと頭に入らない………。



「カナくん?

なんか今日ほんとに変だね……大丈夫………?」



「……………いや……大丈夫……」



そんな俺に気付いた小鳥が心配そうに眉を寄せていた。



そんな小鳥に俺は堪らずに口を開いていた。



「……………小鳥、カケルに…………告白されたんじゃなかったのか………?」



「えぇっ!?知ってたのっ!?」



「…………。」



俺のいきなりな質問に小鳥は目をまんまるくして驚くと赤い顔をして頬をかいた。



「あ…ツバサさんに聞いた…?

内緒にするつもりはなかったんだけどね、

でも綾瀬くんが『あれは冗談だから忘れて』って今日言ってねー!」



「カケルが………?」



…………小鳥にした告白が冗談………?



小鳥が言ったことに驚いて思わずつぶやきがもれた。



「うん!

あたしも何かの間違いだと思ってたから納得しちゃってさぁ~。

もー、冗談が過ぎるよねぇ……」



アハハと恥ずかしそうに笑って小鳥にカケルを疑う余地はなさそうだ。







でも…………俺は










『………俺さぁ、ますます小鳥ちゃんのこと気に入っちゃったなぁ…………?』











……………あんな目をしたカケルの言葉が脳裏に蘇る。









モヤモヤと自分の中になんとも言い様のない気持ちが広がっていった…………。







< 213 / 344 >

この作品をシェア

pagetop