小鳥と恋愛小説家
『………カナのケータイ拾ってくれたの小鳥ちゃんだったのか…………。
ごめんねー。俺、てっきりあのボケサクかと思ってさぁー。』
「あはは……。」
園村くんにいきさつを話すと、彼は悪びれるようすもなく、あははーと笑った。
てか……貴宮くんのことボケサクなんだ…………。
この人も大したギャップの人だなぁ………なんて思いながら、
今日までケータイを預かることを伝えて、貴宮くんのほうには園村くんが伝えておいてくれることになった。
通話を終えて、あたしはケータイを閉じようと………何気なく液晶画面に目をやった………
「…………あれ?」
通話の終わったケータイの液晶画面に…………なんだか見慣れた画像…………。
あたしが常に開いてる、そのサイト。
《ケータイ小説サイトらずべりー》
…………の、《作家メニュー》
……………《叶音さん》
そして見覚えのありすぎる……作品。
「…………………え?」
《叶音》……さま……………?