氷の姫君
「じゃあ試してみる?」

「ああ。是非見たいものだな。」

やはり月華と名乗る女は挑発に乗ってきた。
強気な瞳が面白い。

「いいわ。」

そう月華が呟いた瞬間部屋が一面凍った。

「これで信用してもらえた?」

月華は少し不安げに呟いた。

「ほう。これは美しいな。」

そう呟きダルジェは一輪の花を見つめた。

赤い花。

「それはなに?」

「薔薇だ。」

「薔薇?」

「ああ。これをお前に。」

そう言い月華に薔薇を差し出すダルジェ。

月華はおずおずとそれを受け取る。
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