氷の姫君
過去
「メルフェ?メルフェ?」

私は叫びながら屋敷を走り回る。

「月華?そんな急いでどうしたの?」

下を見るとメルフェが不思議そうにこちらをながめていた。
階段なんてめんどくさい!

私は2階から1階へ飛び降りた。

「え!月華!?」

メルフェは慌てて受止める体制をとる。
私はその横に着地する。

「え?」

「雪女は身体能力高いのよ?」

いたずらっぽく微笑む月華。
忘れてたわ。この人達は人間とは違うんだったわ。

「それより用事かなにかかしら?」

「あ、メルフェに聞きたいことがあるの!」

「聞きたいこと?」

「あの、セーラさんって知ってる?」

「え?なんでセーラ様の事知ってるの?」

「レンさんから聞いたの。少し。」

「そう。」

「あの、セーラさんのこと聞きたいんだけど!」

「セーラ様のこと?」

「お願い。」

必死な瞳で聞いてくる月華。

「いいわ。とにかく部屋に入りましょ?」

「うん!」
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