眠れぬ夜は君のせい
私に視線を向ける衛藤さん。

言いたいんだったら言ってやれ。

言った訳じゃないのに、彼の目を見たらそう言ったように感じた。

「ち、違うのよ、萌波」

動揺したことを隠せないと言うように慌てふためくエミリ。

「何が違うんですって?」

冷たい声で言って、冷たくにらむ。

「だから、その…」

何も言えないと言うように口をモゴモゴさせる栄樹。

「私が知らないと思ってた?

私が気づかないと思ってた?」

私が言えば言うほど、震える2人。
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