眠れぬ夜は君のせい
まだ幼さが残る顔立ちをした女の子が地面に倒れていた。

年齢(トシ)を考えるとするなら、19か20くらいだろうか?

俺はかがみ込むと、彼女の肩に手を伸ばした。

「おい、こんなところで寝てたら風邪ひくぞ?」

声をかけて揺すってみたが、彼女から反応はなかった。

まさか、吸血鬼に襲われたか?

そっと首筋に手を伸ばして見ると、そこは動いていた。

どうやら、吸血鬼に襲われたと言う訳ではないらしい。

でも、彼女には何の反応がない。

「――クソ…」

俺は毒づくと、彼女の躰を抱きあげた。
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