眠れぬ夜は君のせい
皮肉なものだ。

どうして別れた男の弟に再会してしまったのか。

忘れたいのに、何で会う必要があるのやら。

トイレを出ると、
「岳…」

目の前にいたのは、岳だった。

「久しぶり」

岳は言った。

「…久しぶり」

言われたから、返す。

何故か沈黙。

「じゃ」

耐えることができなくて背中を見せた時だった。

「待って」

腕をつかまれたのと同時に、振り向かされた。

「何?」
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