眠れぬ夜は君のせい
。+゚桜子Side゚+。

携帯電話を壊された。

「こんなものがあるから、桜子はおかしくなったんだよ」

半分に折れた携帯電話は、どうやっても修復できない。

桜介くんとも、話をすることができない。

ゴミ箱に捨てられてしまったそれ。

「桜介くん…」

助けてって、言えない。

携帯電話は桜介くんと私を繋ぐ、たった1つのものだったのに…。

なのに壊されて、捨てられた。

私の心の中に残ったのは、絶望以外の何ものでもなかった。


「いやっ、やめて…」

近づいてくる。
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