眠れぬ夜は君のせい
そう思ったが、ドアが開く。

「章子」

「お久しぶりです、正宗様」

派手な化粧に、派手なドレス。

あげはとは正反対の格好をしている章子。

「何の用だ」

俺が聞くと、
「正宗様の体調が優れないとお聞きして、参りました」

章子が答えた。

「体調が優れないって…」

誰がそんなことを言ったんだよ。

そんなことを心の中で呟いたが、ふと思い出す。

そうだ、章子なら何かを知っているのかも知れない。
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