渇いた詩
亮太も言った通り、ここのレストランは最近メディアで取り上げられて人気が出たせいか予約が殺到。


グルメを担当しているあたしも十分気になっていたお店だった。


「いいよ、三橋。今夜行こう」


三橋に笑いかけると三橋は瞬間湯沸し器のように顔を真っ赤にして喜んだ。



「やったぁ!!!サク先輩とデートだぁ!!!サク先輩、18時に駅前で待ち合わせですよ!!」


「えっ?一緒に会社から行こうよ」


「っもう~、サク先輩ったら!!待ち合わせってとこがデートじゃないですかぁ」


そういうものなのか?


「じゃあサク先輩、遅れないでくださいね」と三橋は嵐のように去っていった。

「サク、モテモテだな」


隣で笑っている亮太に何故かイラッとして蹴った。


涙目で「暴力反対!!」と嘆いている亮太にフンっと鼻であしらい仕事に戻った。


だから男は弱い。
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