FRESH LEMONADE
【第2章】傷、友情となかま
関くんが衝撃的な自己紹介をした入学式から、早くも1ヶ月が経過。

あたしが初日に抱いた期待は間違ってなかったみたいで。

とりあえず、毎日楽しい高校生活を過ごしてます。


そして…


初日から目立ちまくりだった関くんは、1ヶ月経った今でも、相変わらず皆の注目の的。


でも、注目されてるのは、見た目のせいばかりではなくて。


…むしろ、性格?


下ネタが好きで、下らないことが大好きな関くんと高塚くんは、皆のムードメーカー的な存在になっている。


2人のおかげで、うちのクラスのテンションは異常に高い。


特に高いのが、朝。

あたしが教室に入る頃には…


「アウト!セーフ!!よよいのよいっ!!!」


教室全体に響き渡る、男の子たちの大声。


「梨菜、おはよう。王子、今日は野球拳の気分みたいよ?」


声をかけてきたのは、玲ちゃん。

初日の自己紹介で、私がめちゃくちゃ美人だなって思った人。

大人っぽくて落ち着いた雰囲気だから、近寄りがたい感じがしてたけど、実際話してみたらとっても喋りやすい人だった。


「おはよー。今日野球拳なんだ…そーいえば、昨日は鬼ごっこやってたよね?」

「一昨日はババ抜き。王子の発想力は豊かね」


うちのクラスの、毎朝恒例行事。

王子企画のバカみたいなゲームを、クラスの男の子全員で真剣にやる。


ちなみに“王子”っていうのは、関くんのあだ名。

入学式の翌日から一部の男の子たちに呼ばれ始めて、今では違うクラスの子たちにまで浸透してる。



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