それでも君が好き


「あの子に感じている愛おしさは錯覚よ。
 目を覚ましなさい。」

「そうだ、忘れて前に進もう。」




これ以上この人達と話しても時間の無駄だ。





「俺はあなた達とは違います。」




嘘。

俺も奈由の両親と同じだ。

奈由に笑いかけもせず、冷たい態度ばかりとって何度奈由を傷つけただろう?




「俺は・・
 奈由にあなた達が注がなかった愛情を注ぎます。」



もしも君が許してくれるのなら、

       俺の元に帰ってきて。




奈由――…

    愛してる―――…


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