待ち合せ
『里香、おせーよ。』


俺の彼女、里香が少し息を切らして
俺の近くの二人掛け椅子に座る。

俺も里香の隣に座る。

里香は何も言わず窓の外を見ている。


しょうがないか。

俺が勝手に待ち合わせ場所をバスの中にしたんだもんな。



「…浩幸を待っていたの。」

隣から里香の声がした。
口こそ動いていないが、里香が何を言っているのか俺には分かる。

そっか…。

時計台の下で俺を待ってたのか。


『ごめんな。』

「でも、分かってたよ。浩幸が時計台に来ない事」

『うん。そっか。待たして悪かった。』
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