【番外編更新中】鬱気味お嬢様の甘い諸事情。



最近の私は、零に頭が上がらない。


些細なことで顔は赤らめてしまうし、零はいやらしいし。

本当にいいことなんてない。




さっと手際よく結ばれたリボン。


「お嬢様…本当に学校へ登校なさるのですか?」



結び終わったと同時に、零の心配そうな声が聞こえた。

過保護な執事。



「行くって言ったら行くわ。ファンクラブとやらを潰しに行くのよ」

「そうですか。お嬢様のファンクラブですか…」



顎に手を沿え、何か考える素振りをしはじめた零。

いちいち格好よくて本当に苛々する。


どれだけ私を惑わせば気が済むのよ。



「えぇ、目障りよね」


「…そのファンクラブとやらには男はいるのでしょうか?」


「さぁ? そこまで知らないけど…」




「男がいるのなら、私が潰したい気分です」



へ……?

予想外の言葉に、俯いていた顔を上げる。


にんまりと孤を描いた口元。

笑ってない目。




< 79 / 202 >

この作品をシェア

pagetop