四王寺学園記
「…っ。」
隣で聞いていた楓にまで相沢の感情が流れ込んでくるようだった。
「……なんで、お前が泣いてんだよ。」
「う、…ふぇっ……し、りませんよぉっ…。」
「…泣くなよ。」
そう言って楓の頬に流れた涙を右手で拭う。
「会長が、泣かないから私が代わりに泣いてるんです…っ!!」
どこかの少女漫画にありそうなセリフだが、今はこれしか頭に浮かばなかった。楓にだってなんで自分が泣いてるのか分からないのだから。