金星
またフられた by yuna
「あ、もしもしー。え? 屋上? 今から?」


ベランダに乾いた春風が吹き込む。


それと同時に

携帯を当てている右耳から、怒鳴り声があたしの中へ侵入してきた。


「……はい。ごめんなさい。はい……行きます」


また怒らせちゃった。

口答えをしてしまったあたしが悪いんだ。

< 10 / 358 >

この作品をシェア

pagetop