金星
新しい彼氏 by yuna
トーストとコーヒーの香りに包まれた、いつもの朝が始まる。


「どうしたー、そんなむくれた顔して。また別れたのか~?」


今までも彼氏と別れるたび、

こんな感じの朝の会話があるような……


「……」


一瞬パパを睨んでから、

マーガリンがしみこんだトーストをあたしは無言でかじった。


「あなたー、優奈に今それいっちゃだめ! ね、優奈すぐまたいい彼氏見つかるわよ」


「そーだそーだ、色々経験を積んでこそ運命の一人と巡り合えるんだぞ、そう……」


あああ、またくる……。


「「パパとママみたいなねー」」

二人の声がハモった。


「あーもう! ごちそーさま!」



あたしだってパパとママみたいな、

ラブラブな恋愛がしたいだけなのにーー!



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