金星

「言っとくけど、変に気ぃ遣わなくていいから。俺もお前なんかに気遣わないし」


そう言って、俺は冷蔵庫から缶ビールを取り出す。


「お前も飲む？」


ガラステーブルの上に、それを2本置いて、俺もソファーに座った。


「未成年は飲んじゃだめでしょ」


静かに優奈はソファーに座りなおして、俺を睨んだ。


「別に酔わせてヤろうとか一切考えてないから、飲みたきゃ飲めよ」

そう言って、俺が缶を開けて、一口飲むと、

「……ありがと」

消えそうな声でそう言った後、優奈も缶を開けた。


お、たまには素直じゃん、と思った。