双子月
「おとーさん、このおねぇちゃん、だぁれ?」


「このお姉ちゃんはね、優の幸せをとても願ってくれて、優が持ってるピンクの指輪をくれた人だよ。」


雄一は、優の頭を撫でながら言った。


「このおねぇちゃんは、どうして死んじゃったの?」


「お月様になって、優が怖い夢を見らずに眠れますようにって、お願いする為だよ。」


「そっかぁ、おねぇちゃん、ありがとう!」


優は瑠璃子の棺桶に向かって手を合わせた。




「雄一!」

剛が呼んだ。



「オレが優ちゃんを見ててやるから、2人で最期のお別れしてこいよ。」


「あぁ、ありがとう…」



(5年ぶり…かな…
朋香ちゃんのお葬式には、僕は呼ばれる筋合いはなかったし…
今回の君のお通夜も、剛が教えてくれなきゃ知らないままだった)



とても強くなったんだね、君は

僕は今、幸せだよ


それは君が、自分を犠牲にして与えてくれたモノなんだ…

けど、1日だって君の事を忘れた日なんてない



形は違うかもしれないけど、今でも君の事を『愛してる』よ…

心から…





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