苦しみの(涙)
ふと、頬に感じる生暖かい感触――――
「ひゃっ!」
兄者が傷口をなめている。
「あっ、兄者やめて。いつもの兄者じゃない!」
顔をそらそうとしたが、
兄者の手が顔を固定させて動かない。
冷めた体の一ヵ所だけ熱くなる。
手当たり次第叩いたりするが、兄者は離れてくれない。
「あに…じゃ……。やめ…て。」
もう頭の中が、ぐちゃぐちゃなのにこれ以上
私をかき乱すのは
やめ…て―――――。
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