苦しみの(涙)




「それじゃ、俺たちは帰るよ。」


「むざむざ逃がすと思うか!!」


兄者が間合いをつめて刀を振り上げた。



「龍樹が傷ついたらどうするんだ。」


「俺はそんなへまはしない。
さっさと菜舞露から離れろ。」




「嫌だ。俺はいっしょに帰るんだ。」


顔は見えなかったけど、真剣な声はなぜか胸に響いた。










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