薬指~未来への誓い~
『どうして…こうなっちゃったんだろうね…』


どこから私たちの幸せは崩れて行ったんだろう…。


『タイムマシン作って…』


ムチャクチャな事を言ってる事くらい分かるんだけど…


『タイムマシンで戻って言うんだぁ~。結婚式なんてしなくてもいいじゃん…2人でいられるなら、それでいいじゃん……って』



そんな非現実的な事しか望めなくて、
涙が止まらない…。



『ごめん…俺、何も守れんかった。いつもいつも倖知を傷つけてる…』


重なった手の上に平伏すように額をのせ、ごめん…と何度も繰り返していた。



私たちに残されたものは…一体なに??



真吾への“愛”


妊娠が分かった時から抱いた、真吾との結婚への甘い“夢”


新しい命がこれからの私たちの絆を強くしていくんだと信じた“希望”



愛も・・・
夢も・・・
希望も・・・
分からなくなった今、“それでも未来は明るいんだ!!”と前を向いてゆける程私は強くなんかない。


それでも笑顔でいられるほど、私は強くなんかなれない。



この押し潰されそうな現実は、
夢を見ているんだと、
いつか醒めるんだと、





誰か…教えて。


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