薬指~未来への誓い~
普通の恋人たちなら、
[会いたい]と連絡するのは恋い焦がれてたりしてて…

連絡を受け取った側は、嬉しく思うのだれう…。


けど、私たちはそうじゃない。


受け取った智哉は、心配してすぐに連絡をくれる。


私の[会いたい]は“SOS”だから…。



1人部屋にいると、たまに寂しくて寂しくてどうしようもなくなる…。


本当なら…今頃この部屋にはオモチャや絵本が散らかって、小さな息づかいがする中、私は夕食の支度をしている……

ハズだったんだ――。



けれど、現実に目の前にあるのは、キレイに整頓された部屋と窓を叩く風の音だけがするガランとした空間。


まるで地球上に私1人取り残されたかのような錯覚にすら陥る。



誰か……

1人じゃないのだと…教えてください。



『今、どこ??』

『ごめん…今大学なんだ』

『会えない??』

『講義終わったらすぐに行く!!』

『…うそつき』

『嘘じゃないよ!!講義終わったらすぐ行くから!!』

『…ツラい時はそばにいるって言ったじゃん。…今すぐ来て』

『……分かった』



ムチャクチャだ…私。





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