薬指~未来への誓い~
最初はただ黄色が好きで、あの大輪の花がお気に入りってだけだったんだけどさ…

彩のお父さんが亡くなった翌年の夏、私の家の庭にはヒマワリが植えてあった。

陽の光を追いかけるようにうんと背を伸ばして、

大きく腕を広げるように大輪の花を咲かせて陽の光を浴びる。


その姿が誇らしく力強く見えたんだ…。



『帰ろうか』

真吾が優しく微笑んで手を差し出してくれた。


恥ずかしげもなくその手を握る。


手のひらから伝わる温もりがくすぐったい。





それからの月日は、大切に大切に積み重ねていった――…

真吾に大切にされるのは嬉しいんだけどさぁ…


『早足もダメ』とか、『人ごみだからデパートはダメ』とか………

過保護だ!!!って文句言いたくなるくらいなんだからっ。





『あ………動いた!!!』

妊娠5ヶ月が過ぎた頃の休日…。


真吾とソファーで再放送のバラエティー番組を見ていたらお腹がポコッと動いた!!!


『マジで!?どこ!?!??』

『ここ♪』


動いた所に真吾の手をあてる。



――――……



『動かない…』



あれ??
確かに動いたんだもん。


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