Blood smell 2
痛みはますます激しさを増し
内臓が

心臓がつぶされていく感覚と
立っていられないほどの激痛に
意識がもうろうとしてくる


「…種…族なんて関係ない…
人間でもヴァンパイアでも…
恋を…して…愛し合う…のよっ!」


必死で言葉をつづけた


「私は修二が

人間でもヴァンパイアでも
ライカンでも…愛してる…

この気持ちは絶対に消さないし

否定もしない…。」



「おのれっ!!」
皇帝が両手を振り上げる

殺される!!





最後を覚悟して目を閉じた時
急に
私を襲っていた腹部の痛みが消えた





…え…?

ゆっくりと瞼を開けると

皇帝の前に教皇が立ちふさがっている


な…に…?!


肩の痛みと戦いながら
ゆっくり体を起こす



「どういうつもりだ…教皇?」


「どういうも何も
これに興味がわいた…。
だから、今この場で殺されては困る。

それに
これがいなければシュルドは
ここには来ないだろう?」
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