あまのじゃく
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「うー、寒い」
外に出ると空はオレンジからうすい紫に変わろうとしていて、冷たい風が肌を突き刺した。
あたしは、寒いのが苦手。
寒いとすぐに鼻が真っ赤になる。
「お前、鼻真っ赤だぞ」
「うるさーい。仕方ないじゃん、寒いんだから」
「ふっ、アカネは昔から寒いの嫌いだもんなぁ」
凌央は『ふっ』って笑う。
その時の優しい顔があたしは好き。
馬鹿にしたような笑い方かもしれないけど、すごく好き。
凌央が笑うと、胸が柔らかく波打つんだ。