時を分かつ
「コウダイ、そう…。

私の知り合い、貴方の彼にそっくりかも。

なら、その彼氏に賭けてみる?」

「えっ?」


「貴女は意思。

だから、過去に行けないこともないの。

まぁ、そんなの無関係に過去にはいけるけどね。」

「過去に行ってどうするんですか?」

「彼氏に今起きたことを話すの。

そして、未来を変えることができるか、それは彼氏次第。」

「じゃあ、待ち合わせの日時を変えて、」


「ダメよ。」

「えっ?」

「この事故が起きなければ貴女は過去に行けない。

だから、事故が起きなければ貴女は永遠にこの世界から抜け出せない。」

「じゃあ、一体?」


「そうね、伝えることは…

貴女が事故に遭うこと

それは決して回避してはならない

重要なのは貴女が事故にあってから、誰が何をどうするか、

それが貴女が伝えること。

とにかく、貴女が事故に遭うことが絶対よ。」


「わかりました。」

「じゃあ、過去に行きましょ。

あ、その前に、貴女の名前、聞いてなかったわ。」

「かな子。

山田かな子です。」

「そう、かな子。

忘れないで。

普通はあり得ないの。

だから、奇跡に感謝を、そして、貴女も誰かを救えるかもしれないということを。」


この世界からかな子という意思が消えた。
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