夏の空を仰ぐ花
ああ、神様。


恋とはなんて甘ったるく、幸福に満ち満ちたものなのだ。


クラクラする。


外は深い深い雪の中。


きっと、寒くて寒くて、凍えてしまう。


長い長いキスのあと、あたしの王子様はくすぐったそうにはにかんで、


「このまま時間止まってくんねえかな」


あたしを抱きすくめた。


本当にそう思う。


幸せに包まれたまま時間を止めてしまえたら、どんなにいいだろう。


どうして、あの瞬間、時間は止まってくれなかったんだろう。


この先の不安を予感させるように、窓の外は大きな綿雪がしきりに降り続いていた。











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