3月1日【短編/企】
目が合うと、
ふんわりと紅子は笑う。
思わず目を逸らした。
(こ……これは…)
ハンパなくやばい。
今までで一番ドキドキしている。
(中学生じゃあるまいし……)
彼女の笑顔ひとつで
ここまでヤラれるなんて30を目前に控えた男としてどうなのか。
この調子じゃあ、キスどころか目を合わせることすら困難だ。
ましてやそれ以上のことを求められたら死んでしまう。
しかし、そんな日に限って紅子は空気を読まなかった。