『ずるいヒト。』
「私は……あっ…みやび……」
みやび…さん。
ひとつ、彼女のことを知った。
ベッドの中。繋がり合ったままで。
「僕は……直……」
「な、…お……ぁああ!!」
二人の吐息と汗だけが混ざった部屋で、僕達はただ、見つめ合った。
「直……な、お………」
僕の頬に右手を添え、みやびさんは綺麗に微笑んだ。
この人は、どんな人なんだろう。
僕は純粋に彼女…みやびさんのことを知りたいと思った。
もっともっと……近付きたい。