『ずるいヒト。』
朝、僕は彼女より早く起きた。
涙の後を付けて…彼女は俯せで寝ている。
珈琲をいれ、僕は静かに彼女を見つめた。
ずるい女だ。
僕をこんなに虜にして…
きっと彼女は、僕のことなんて、想っていない。
そんなことは当たり前のことだ。
つい一ヶ月前に会ったばかりの奴に、普通だったら愛おしさなんて感じない。
きっと、僕がおかしいんだ。
でも君には、僕は何も求められない。
求められないんだ。
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