お化け屋敷の住人
わたしは居間で真が帰ってくるのを待った。
進路希望調査のプリントを見つめながら、考えることは4月のこと。
真に高校に行けと言われて、わたしがしたことと言ったら編入試験を受けたことくらい。
そのほかの手続きはどうやったのかすら全く知らない。
真が保護者?
まあ…、今のわたしの状況から考えたら、保護者は真以外にはありえないのかもしれない。
でも真を保護者だと思うとなんだかむず痒い。
“あの真が?”って思ってちょっと面白い。
「何笑ってる。気持ち悪い」
その声に顔を上げると、居間の入り口に真が立っていた。
いつの間にか帰ってきてたんだろう。
気付かなかった。
「お帰り!」
「ただいま」
「真、話があるから座って」
「話?」
真は居間に入ってくるとテーブルの上に置いてあるプリントに目をやりながら、あたしの斜め前に座った。