私が私の王子様!?
入れ替わった想いと想い
「青い空・・・」
「んで、白い雲?」
「白い雲・・・って、誰!!私の心を読んだのはっ」
「はははっ・・・ダサッ、光(ひかり)」

青い空と、白い雲の下。
道行く影が、2つ。

「・・・なんだ、裕也(ゆうや)か・・・」
「悪かったな、俺で」

一つは、袋を持って。
一つは、袋を持とうとして。

「持ってやるよ。ホラ、貸せ」
「え・・・いいの?」
「どうせすぐ近くだし。俺、男だし」
「有難う」

にっこり微笑む女の子に
夕方のせいか赤く見える男の子の顔。

「裕也」
「ん?」
「ちょっと・・・まってっ」
「・・・嫌だ、待たない」
「いいから待っててよぉ、あ、ホラ、ここ」
「何?」
「・・・あ」
「ね?びっくりしたでしょう?」

女の子が手に持ってるのは
何やら小さなものの様で。

「・・・4つ葉?」
「そっ、昨日探してたんだけど・・・あったから」
「もらっていいわけ?」
「いいよ、裕也だもん、大切な友達だもんね」
「ああ、そうだな」
「ホラ、階段上ったら家だぞ」
「そんなこと言われなくったってわかってるもーん」
「・・・子供・・・だし?」
「ええっ!?何その返し!?もう大人料金の子供ですよ!?」
「・・・子供なんじゃん」
「・・・あ」

笑いあう二人。

「ホラッ、いつまでも笑ってないでよっ、も~恥ずかしいじゃあんっ」
「フハハッ・・・本当、馬鹿・・・」
「ホラッ、私の方が裕也より速いんだからっ」
「あっ、馬鹿っ」
「え?」

―――ドサッ
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