気まぐれ探偵はお嫌いですか?
「行ってしまいましたね。」


「ああ、でも巧さんなら罪を償って戻って来るさ。」


凱はそう言うと私に背中を向けた。


肩を見ると小刻みに震えている。


泣いているのだろうか?


顔も見えないのでそれもわからない。


私は何も出来なくて無言のまま彼のそばに立っていた。



しばらく経つと、彰さんが袋を持って私達の所に来た。


「凱様、これは今回のお礼でございます。ケーキを3ホール用意させて頂きました。」


「3ホール!」


さっきまで、背を向けていた凱は顔を明るくさせ振り返った。
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