だからこそ、キミは。



周りから感じるのは、さっきとはまた違う、好機にあふれたクラスメートの視線。

そして、梨花たちからのちょっとした、妬みを含む視線。



もう梨花たちとの関係は壊れきってしまったから、何も怖がるものなんかない。

私は何も見ないように、爽くんたちの机の元へと向かう。




『……。』



心臓が、ドキドキする。

心が張り裂けそうなぐらい、大きく波立っている。




…別に、周りの視線からきた緊張ではないの。


それはどこか、良い意味でも悪い意味でも、気にする必要がなくなったから。




問題なのは、もう一つの“視線”。




< 152 / 437 >

この作品をシェア

pagetop