だからこそ、キミは。



―…“作り物、みたいだ”。



こんな、勝手なことを口走ったくせに。

触れて欲しくなかったことを、平気な顔して触れてきたクセに。



何事もなかったフリをする先生は、どうしようもなく嫌い。




「さっきも言った通り、二酸化炭素は酸素と炭素が化合してできたものだ。」




涼しい顔をして、悠々と喋る先生を、思わず蹴飛ばしたくなる。



何も知らないフリも、全て知ってる素振りも。

全部できてしまう先生は、私の受け付けることのできない存在みたいだ。



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