燐花-愛の蜃気楼-
燐花
「燐花、ママのこと、好き?」

「うん、大好き!」

燐花は母の手を掴んで微笑んだ。

「パパがいなくても、燐花なら大丈夫だって、ママ信じてる」


「…うん」


夕焼けに並ぶ影が寄り添った。


「ママ…」

「なぁに」


「泣かないで、燐花はずっとママのそばにいるから」

母親は娘をぎゅっと抱きしめた。


「…ありがとう、ありがとうね…燐花…。」

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