辻斬り
めぐみはバッグからルージュを取り出し壁に目印の線を書き込む。
今度こそは、同じところを巡らないように。
時計は2時前。
みんなと離れてしまってずいぶんと経った。まなみがどうなったのか少し気になる。
それにさっきから、誰かがいる、そんな気がする。
足元から、何かもごもごと、それともごわごわと、なんだか音がする。

(霧を払いながら歩くと、こんな音がするのかな?)

そう思った瞬間だった。
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