辻斬り
あゆみは持っていたコーヒーカップを恐る恐る置く。
動揺を隠すようにそれから石の様に固まったまま。
携帯電話が不意に鳴り出した。あゆみはそれを取れなかった。動けなかった。
鳴り止まぬ電話にあゆみの心中はどんどん病んでいくしかなかった。

まるで、心の中に霧が沸く感じがした。
――生きている。
やがて、それがうやむやになっていく。
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